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今年の改定直後の概算医療費、0.8%増と伸びは緩やか   

今年の改定直後の概算医療費、0.8%増と伸びは緩やか        
ただし医科・歯科の伸び率は高め 薬価改定により調剤が減少

――厚生労働省

厚生労働省は11月26日、今年4~5月分の概算医療費を公表。2カ月分の医療費は7.0兆円で、前年同期比は0.8%増だった(2017年度の概算医療費は42.2兆円)。1日当たり医療費の伸びは前年同期比1.3%増。受診延べ日数の伸びは前年同期比0.5%減となった。

今回の概算医療費は、診療報酬改定直後となるため伸び率が注目された。以前は、改定直後の伸び率は高い傾向にあったが、近年は抑制されてきている。遡って見ていくと、2010年4~5月は3.8%増、2012年4~5月は2.1%増だったが、前々回改定直後の2014年4~5月は0.4%増、前回改定直後の2016年4~5月は0.9%増となっている。今回の0.8%増も前回、前々回と同程度となっており、医療費の伸び率抑制が成功しているように見える。

しかし、診療種別に見ると、今回は薬価改定による調整が大きかったことがわかる。医科、歯科とも伸び率は前回改定直後よりも高く、医科入院は1.7%増、医科入院外は1.4%増、歯科は1.4%増。それに対し、調剤は3.1%と大きく減少している。1日当たり医療費はより顕著で、医科入院が2.4%増、医科入院外が2.0%増、歯科が2.1%増。調剤は4.1%減となった。ちなみに前回改定直後の2016年4~5月の医療費は医科入院0.9%増、医科入院外は1.3%増、歯科は2.1%増、調剤は0.5%減。1日当たり医療費は医科入院が1.8%増、医科入院外が1.7%増、歯科が1.9%増、調剤は1.8%減だった。

医科・歯科の医療費が伸びたのは、受診延べ日数を見ても明らか。医科入院0.7%減、医科入院外0.5%減、歯科0.7%減といずれも減少しているにもかかわらず、医療費が伸びているということは、1人当たりの医療費が伸びていることにほかならない。逆に、調剤の受診延べ日数は1.0%増であり、1人当たりの調剤費が下げられたことを表している。

今年の診療報酬改定は、医科・歯科の本体部分が0.55%増のプラス改定で、本体のプラス改定は6回連続となった。しかし、財務省は社会保障費の自然増を5,000億円に留めるため2%半ば以上の引き下げを求めていた。当初は6,300億円の自然増が見込まれていたため、本体のマイナス改定が予想されていたが、薬価引き下げにより1,300億円の財源を確保。さらに、想定以上に販売された品目の薬価を引き下げる「市場拡大再算定」や、年間販売額の大きな品目の薬価を引き下げる「特例拡大再算定」により財源を確保したこともあって、医科・歯科の医療費の伸びが目立たなくなった格好だ。しかし、医科・歯科の医療費が伸びていることが明らかになったことで、次回改定は抑制の方向へ向かう可能性が出てきたといえよう。



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所得税調査、申告漏れ9038億円

所得税調査、申告漏れ9038億円
効率的・効果的な調査を実施


国税庁によると、個人に対する今年6月までの1年間の所得税調査は62万3千件行われ、うち約62%の38万4千件から9038億円の申告漏れ所得を見つけた。
その追徴税額は1196億円。1件平均145万円の申告漏れに対し19万円を追徴した。

実地調査における特別調査・一般調査(高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に行う深度ある調査)は5万件を実施、うち約87%にあたる4万4千件から総額5080億円の申告漏れ所得を見つけ、887億円を追徴。
件数では全体の8.0%に過ぎないが、申告漏れ所得金額は全体の56.2%を占めた。
調査1件当たりの申告漏れは1021万円と、全体平均の145万円を大きく上回る。

また、実地調査に含まれる着眼調査(資料情報や事業実態の解明を通じて行う短期間の調査)は2万3千件行われ、うち1万7千件から814億円の申告漏れを見つけ、60億円を追徴。
1件当たり平均申告漏れは351万円。
一方、簡易な接触は55万件行われ、うち32万4千件から3143億円の申告漏れを見つけ249億円を追徴。1件当たりの平均申告漏れは57万円だった。

実地調査トータルでは7万3千件の調査を行い、うち6万件から5894億円の申告漏れを見つけ、947億円を追徴。
つまり、実地調査件数は全体の11.7%と約1割に過ぎないが、申告漏れ所得全体の6割半ばを把握しており、効率的・効果的な所得税調査が実施されていることが裏付けられた。



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大手が軒並み最高益を更新した人材派遣業界

大手が軒並み最高益を更新した人材派遣業界
「同一労働同一賃金」が企業に及ぼす影響とは?

 労働契約法と派遣法が改正され、「派遣期間 3年ルール」が適用された影響が懸念された人材派遣業界。蓋を開けてみれば業界最大手のリクルートHD、2番手のパーソルHDがともに最高益を更新するなど、大手のほとんどが増益となった。
 好調の理由は1.48倍と43年ぶりの高水準である有効求人倍率だ。全体におよぶ人手不足により、派遣会社の需要が伸びている。日本経済新聞によれば、これまで上がりにくかった製造・販売分野の派遣料金も上昇。今秋の料金交渉では各社平均で前年比3%前後上がり1,600~2,000円/月に。東海や九州では上げ幅が5%に達した会社もあり、人手不足の深刻化が浮き彫りとなった。
 まさに派遣会社の“ひとり勝ち”だが、そのカギを握るのは、今年6月に成立した働き方改革関連法によって2020年4月以降に導入されることが決まった「同一労働同一賃金」だろう。派遣社員の場合、「派遣先の労働者と均等」「派遣元での待遇決定」のいずれかを選択する方式になる。派遣社員を受け入れる企業側は、派遣元企業との料金交渉を行っているため、後者が選択されるケースが多いことが予想される。
 人手不足が進んでいることで、人材派遣業界内での人材確保競争が過熱。小規模事業者の倒産が増えているため、大手がさらに業績を伸ばすことは間違いない。派遣社員を受け入れる企業側は人件費の高騰に悩まざるを得なくなる。中小事業者は早めに対策を講じる必要がありそうだ。


※同一労働同一賃金
同一の労働に従事する労働者に、同一の賃金を支給すること。欧州で普及している考え方で、日本では正社員と非正規社員(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)との待遇差を解消し、非正規の待遇改善を図ることを目的としている。



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「規制改革ホットライン」、医療・介護WG関連は28件   

「規制改革ホットライン」、医療・介護WG関連は28件    
NDBの民間利用や処方箋の電子発行など 厚労省の回答も公開

――規制改革推進会議
 規制改革推進会議は、11月19日に開催された会議で、国民や企業からの提案を受け付けている「規制改革ホットライン」の運用状況を公表。2016年8月1日から今年10月31日までの2年3カ月間で1,506件を受け付けており、今期所管省庁へ検討を要請したのは353件。そのうち医療・介護WG関連は28件だった。

 提案内容と併せて、厚生労働省からの回答内容も公開されている。「レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)の民間利用拡大」や「処方箋の電子発行」「医療機関間における医療機器の共同利用」といった内容で、主なところを以下に紹介する。

「レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)の民間利用拡大」は、日本経済団体連合会(経団連)からの提案。NDBの民間利用が非常に限られている状況を指摘し、「更なる疫学研究を進めるためには民間による主体的なNDBの活用が必須」と主張している。それに対して厚労省は、NDBと介護保険総合データベースとの連結解析や、第三者提供の枠組みについて検討中として、これまでの方針と変わらない内容ながら前向きな姿勢を示している。

「処方箋の電子発行」は個人からの提案。花粉症など重篤ではない症状を挙げ、「薬だけもらいたい場合」でも医師の診療を受けて処方箋を発行してもらう手続きが必要なことの不便さを指摘。待ち時間が無駄なだけでなく、本当に受診したい人が待たされることの弊害も訴えた。これに対し、厚労省はまずオンライン診療の受診を推奨したうえで、処方箋の電子発行については「実証事業を通じてよりよい運用方法を検討していく」とした。また、オンライン服薬指導にも言及。国家戦略特区の実証を踏まえて検討していくとしており、少なくともこの回答のうえでは規制緩和の方向に舵を切る意向を示している。

「医療機関間における医療機器の共同利用」は、経団連の提案。「別経営の医療機関同士がエックス線診断装置等の医療機器を共同利用することを認めるべき」としている。たとえば医療モールなどの場合は、うまく共用することでコストやスペースの節約につながることは確かだ。ただ、診療報酬請求の問題があるため、これまで同様の事例は確認できていない。この問題に対し、厚労省は医療法上は問題なしとの見解を示している。具体的には「地域医療支援病院に勤務しない医師等の医療従事者が、当該地域医療支援病院の設備等を利用することは可能であり、現行の制度において対応可能」とした。

診療報酬請求においては、CTとMRTにおいて可能なようだ。厚労省は以下のように回答している。

「E200 コンピューター断層撮影(CT撮影)と、E202 磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)については、共同利用施設において行われる場合も算定可能とされており、

・ CT撮影及びMRI撮影の施設基準の届出を行っていること
・ 当該撮影機器での撮影を目的とした別の保険医療機関からの依頼により撮影を行った症例数が、当該診断撮影機器の使用症例数の1割以上であること

等の施設基準を満たす医療機関を共同利用機関とし、当該医療機関での撮影を行った場合において、撮影機器を所持しない保険医療機関も算定することができます」



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費用対効果評価、対象品目は年4回の新薬収載時に選定

費用対効果評価、対象品目は年4回の新薬収載時に選定
価格調整も同時期に実施 分析には臨床の専門家が参画

――厚生労働省
中央社会保険医療協議会

費用対効果評価専門部会・薬価専門部会・保健医療材料専門部会合同部会
厚生労働省は、11月21日に開かれた中央社会保険医療協議会の費用対効果評価専門部会・薬価専門部会・保健医療材料専門部会合同部会で、費用対効果評価の対象品目を年4回の新薬収載時に選定する方針を示した。また、価格調整も同時期に実施することや、分析には臨床の専門家を参画させることも提案し、いずれも了承された。

費用対効果評価は、高額な医療技術や医薬品を保険収載するにあたり、適正な価格を設定するための指標。その性格上、速やかに対象品目を選定することが求められる。しかし、一度に多品目の分析・評価をすることは物理的に難しい。2016年度から実施されている試行的導入では、品目選定から企業分析の提出までに約9カ月から1年、再分析に約6カ月、総合的評価に約2カ月を要している。

この期間をできるだけ短縮させるため、この日の会合では「標準期間の設定」も示された。「企業分析に9カ月程度」「公的分析に3カ月程度(再分析を行う場合は6カ月)」「総合的評価および価格決定に3カ月程度」となっており、最低でも1年3カ月程度ということになる。当然、順次分析・評価を行っていかなければならないため、選定時期および価格調整の時期を分散させるべきとの考え方から、年に4回と決まっている新薬収載のタイミングがベターということになった。ただ、価格調整も同時期に行うとなれば、薬局や医療機関は年に4回、薬価の変動に対応しなければならないということになる。事務的な負担はかなり大きくなるため、システム的な視点も含め、負担軽減策が早晩必要となってくるのではないか。

分析に臨床の専門家を参画させるのは、試行的導入で専門家が検討する公的な体制が整っていなかったからだ。その結果、企業分析と第三者による再分析で結果に大きな違いが生じてしまい、本格導入を妨げる要因にもなっていた。そこで厚労省は、薬価算定組織や保険医療材料専門組織と同様にあらかじめ専門家を指名し、品目に応じて分析内容の確認を行う体制を整えることにしている。

そもそも費用対効果評価は、導入の目的を「適正な価格を設定するため」としているものの、社会保障費の削減が狙いであることは明らか。製薬企業や医療機器メーカーなどにしてみれば、自社製品が対象品目に選定されれば収益減少に直結することは間違いないためせめぎあいが続いており、検討開始から6年が経過しようとする今となっても、今回のような制度設計の部分で議論せざるを得ない状況となっている。厚労省は、年末までに本格導入に向けての足固めをしたい意向だが、残り1カ月と時間のない中で、果たしてどこまで詰めきれるのか、引き続き進捗を見守りたい。



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